

近視抑制治療
近視の進行を抑制することが大切な理由
子どもの近視は、主に眼球が楕円形に伸びてしまう(眼軸が伸びる)ことで、ピントに位置ずれが生じるケースが多くあります。
近くをみることが習慣化してしまうと近視になりやすく、一度眼軸が伸びてしまうと戻ることはありません。そのために眼軸長の伸びを抑えることが、近視の進行を抑制するためには重要となります。また、近視は高度な近視の場合、回復不可能な視力低下、黄斑変性症、網膜剥離、または緑内障に発展するといわれています。
日常生活で気をつける事
a. 屋外活動の増加 「屋外での活動時間が多いほど、近視の発症や進⾏を抑制する効果がある」という強いエビデンスが複 数の研究(RCT、メタアナリシス含む)から得られています。
例:「⽇光に 2 時間以上当たることで、近視の発症・進⾏の両⽅が抑えられる」「1000 Lux 以上の明る さが保護効果を持つ」 屋外での照度は、⽇陰やサングラスを着⽤しても、室内よりも著しく⾼く保てます。
b. 近業時間の制限 近くを⾒る作業の時間が⻑いと近視リスクが上昇します。 メタ解析では「近業を多く⾏う⼦どもは、近視になるリスクが 80%⾼い」と報告。 • 近業の合間に休憩を取ることが推奨されています。
当院で行っている治療について
a. 低濃度アトロピン点眼液
b. 多焦点ソフトコンタクトレンズ
多焦点ソフトコンタクトレンズは、本来は老視(手元が見えにくくなる症状)を矯正するために開発された「遠近両用コンタクトレンズ」として知られています。 近年、海外ではこの技術を応用し、子どもの近視進行を抑えるための多焦点ソフトコンタクトレンズが各社から販売されています。1日使い捨てタイプなので衛生的に管理しやすく、国によっては低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジーよりも広く使われている治療法です。ただし、日中に装用する必要があるため、ゴミが入ったときに自分で取り外すなどの自己管理ができる年齢になるまでは使えず、比較的年齢の高い子ども が対象になります。 多焦点ソフトコンタクトレンズの中で、「MiSight® 1day」(クーパービジョン社)は、長らく唯一アメリカFDAの承認を受けていた製品です。このレンズは世界各国で広く使用されており、臨床試験では装用開始から3年間で近視進行を59%抑制する効果が示されています。日本でも国内臨床治験が終了し、2025年8月に厚生労働省の承認を取得しました。国内でも正式に使用できるようになり、近視抑制治療の新しい選択肢として期待されています。
c. 近視管理用眼鏡処方
海外では、周辺部の網膜に、網膜の手前でピントが合う光をたくさん作用させたり、周辺部の網膜のコントラストを下げることで、近視進行を抑制しようとする眼鏡が販売されております。 2018年ごろから海外で販売されるようになった、これらの新しいタイプの近視管理用眼鏡は、通常の眼鏡やコンタクトレンズ比で、装用開始から2年間でおおよそ55%〜60%、近視の進行を抑制することが報告されております。 眼鏡による治療であれば、より小さな子供でも簡単に実施することが可能です。 これまで海外で効果が確認されていた「近視管理用眼鏡」は、日本では医療機器としての扱いが難しく、長い間販売されていませんでした。 この課題に対応するため、厚生労働省の要請を受けて日本近視学会が2025年度にガイドラインを作成し、日本においても「近視管理用眼鏡」を安心して使用できる体制が整いつつあります。 現在のガイドライン(第1版)では、MiYOSMART®(HOYA社)と Stellest®(Nikon-Essilor社)が推奨されており、国内販売されています。
現在ご希望の方に処方可能です。